私はスキャルピングを中心とした裁量トレードとマネースクエアのトラリピによる自動売買で資金を運用しています。2月以降、ロシアのウクライナへの侵攻もきっかけに各国の政策金利状況が大きく変わりつつあります。それに伴い、為替動向も方向性が変わる可能性がありトラリピ設定も見直しをしていますので5月の最新状況をまとめました。
トラリピの仕掛けレンジと利益率
これまではユーロポンド、豪ドル/NZドル、ユーロドルと3つの通貨ペアで取引をしてきました。今回、ユーロドルについては仕掛けを停止、ユーロポンド、豪ドル/NZドルについては仕掛け数を変更しました。最新の設定は以下表のとおりです。
運用以来の年利ペースは52%と非常にハイペースです。ここで少しリスクを下げるため、ユーロドルの仕掛けを停止、ユーロポンドのショートはセット数を2~3から1へ、同ドル/NZドルもセット数を4から2へ減らしました。ここで欧州、英国、豪州、NZの動向を見ていきたいと思います。
ユーロポンド
まずユーロポンドの日足チャートです。昨年年明け以降下落トレンドが続いていましたが、5/5(木)に上値ラインを突破し0.851まで上昇してきました。
まず、欧州についての状況を振り返りましょう。欧州中央銀行(ECB)は4/14の政策理事会後の会見で、金融緩和政策の縮小を継続する方針を示しました。また、債権・国債の購入プログラムAPPの規模について第三四半期に終了する見通しが高まっているとし、中銀預金金利はマイナス0.5%で据え置きました。
金利は据え置きとなりましたが、その後の関係者の発言では金利先高観が持ち上がってきているように思います。例えば4/20、ECBの政策委員会メンバー、ベルギー中銀のウンシュ総裁はECBが中金預金金利を年内にプラスに引き上げることはありうると述べており、5/6にはビルロワドガロー仏中銀総裁が、年末までに金利をプラスに引き上げるのが合理的などと発言しています。ウクライナリスクによるエネルギー危機もあり一筋縄にユーロが上昇するとは思いませんが、金利の先高観によりユーロはジリジリ買われていくと想定しています。
次に英国の状況です。英中銀金融政策委員会(MPC)は5/5、政策金利を0.25%引き上げ1.0%としました。また、MPCメンバー9人のうち3人は0.5%の利上げを支持しておりポンド上昇かと思いましたが、結果としてポンドは大きく売られることとなりました。理由は、今後の成長見通しを下方修正し、2023年にはマイナス成長になるとの見通しを示したことによります。また、英国ではジョンソン首相が新型コロナウイルス対策の行動規制下に首相官邸で開かれていたパーティーに参加した問題で支持率が落ち込んでおり政局も不安定な状況です。5/5には英国の地方選挙が行われており、選挙結果次第ではポンドにさらに下落圧力がかかることになります。
ユーロポンドで考えるとファンダメンタル的にはユーロ買い、ポンド売りの要素から、今後は上昇基調が続くと想定しています。また、チャート的にも下落ラインを上回ったことで下値は堅いと考えています。以上からショートのポジションを軽くしておいた方が良いと考え、トラリピの仕掛け数を計5セット (計22.5万通貨)から2セット (9万通貨)へ減らしておきました。今後の動き方によってはロングの仕掛けを検討したいと思います。また、ユーロドルについてはユーロは先々上昇基調になるとみてショートの仕掛けを停止しています。
豪ドル/NZドル
以下は豪ドル/NZドルの日足です。エネルギー価格の上昇に伴い豪ドル買いのトレンドが発生しており、豪ドル/NZドルも2月以降上昇基調が鮮明になってきています。
豪州の金利については5/3の政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げて0.35%とすることを決定しました。事前予想は0.25%への利上げだったためサプライズとなり豪ドル/NZドルは1.11まで上昇。10年国債利回りも3.39%まで上昇しました。豪中銀総裁の会見では40bpの利上げも検討したとの発言もあり今後も豪ドルに買いが入りやすい状況は続きそうです。
一方のNZ中銀についても4/13に政策金利を0.5%引き上げて1.5%とする大幅利上げを決定しています。こちらも事前予想は0.25%の利上げだったためサプライズとなっています。
資源国通貨ということもあり豪ドル/NZドルでみると豪ドルに買いが入りやすい状況が続いていますが、中国の景気悪化リスクもあり今後一方的に豪ドル/NZドルが上昇することも考えづらく、買いと売りを両方入れリピートを稼ぐ戦略としました。今後も状況を見て設定変更していきますが、ここからはもみ合いを期待したいと思います。
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