えいとの投資家ブログ

2022年に投資法人設立。23年、裁量トレード年利133%。猫とスプラが好き。 *当サイトの記事内には広告を含みます。

①投資を法人化するメリットとデメリットとは?

 これまで副業としてFX、株式投資を行ってきましたが、サラリーマンを卒業したので事業として投資をするために法人化をすることにしました。そこで疑問に思ったのが、法人化をすることでどのようなメリット、デメリットがあるのか?ということです。今回はそのメリット、デメリットをまとめましたので、法人化を検討している人はぜひ参考にしてみてください。結果が気になる方は4.まとめからご覧ください。

法人化とは

 投資の法人化とは投資を事業の一つとした会社を作るということです。これまでは個人として銀行やFX、株式の口座を開いてトレードをしていたと思いますが、法人(会社)をつくり、法人としての銀行口座やFX、株式口座を開いてトレードをすることになります。投資により利益を安定してあげられている人、FX以外に事業を営んでいる人、家族などの資金を運用したい人に良いとされています。その理由を以下のメリット、デメリットで見ていきたいと思います。

法人化のメリット

1.レバレッジが高くなる

 FXの取引では少ない資金で大きな金額を取引できるレバレッジを効かせることができます。例えば個人の口座ですと最大25倍までレバレッジをかけることができるので、100万円の資金で100万円 x 25倍=2,500万円分の取引をすることができます。このレバレッジが法人口座だと50~70倍に増える取引業者が多いため、より大きな金額で取引することができるようになります。

*代表的な数値ですので、実際のレバレッジは各取引業者のサイトにてご確認ください。

 

例:資金100万円、ドル円120円/ドルの場合

個人口座

動かせる金額:100万円 x 25倍 = 2,500万円

取引できる量:2500万円 ÷ 120円/ドル = 約20万通貨

法人口座

動かせる金額:100万円 x 70倍 = 7,000万円

取引できる量:7000万円 ÷ 120円/ドル = 約58万通貨

 

 スキャルピングのように秒~分の間で取引する超短期売買であれば取引通貨量が増えるのは有利ですね。ただしレバレッジを効かせすぎると損失が大きく膨らむ可能性もありますので、私はこれまで通りのレバレッジで取引をする予定です。

 

2.損失繰越期間が長くなる

 FXや株取引をして利益が出た場合はその利益に対して約20%の税金がかかります。損失が出た年は当然税金を払う必要がありませんが、翌年に利益が出た場合はその利益に対して税金を払う必要があります。ただし、確定申告で損失を繰り越しておけば前年の損失と当年の利益を通算することができます。

 例えば前年に100万円の損失が出て、今年100万円の利益が出た場合、損失繰越をしておけば前年の100万円の損失と今年の100万円の利益を相殺することができ、税金を支払う必要がなくなります。この損失繰越が個人では3年間ですが法人では最大9年間となります。赤字となってしまった場合も長期間損失を繰り越せるのはメリットですね。

 

3.他の事業と損益通算が可能

 損益通算というのは一年間の利益と損失を合算することです。法人では全ての収益を合算して出た所得に対して課税されますが、個人では合算できる所得の種類に制限があるので、複数の事業を行う場合には法人化が有利になる可能性があります。

 *所得は10種類に区分されて損益通算できる所得には制限があります国税庁HP)

損益通算できる所得

 不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(不動産、株式等以外)

損益通算できない所得

 利子所得・配当所得・給与所得・退職所得・譲渡所得(不動産・株式等)


 例えば不動産所得で利益100万円、株式の譲渡所得で損失100万円の場合、法人では合算して収益ゼロとして税金はかかりませんが、個人の場合は不動産所得の100万円に対して課税されることになります。

 

4.経費の範囲が広くなる

 個人でFXや株取引をする際に必要となる費用は「経費」として利益から引いて課税対象額を出すことができます。例えば、株の勉強をするための本やインターネット代、PCなども投資に100%使用するのであれば経費とすることができます。

 法人になるとさらに車や退職金、出張手当などの費用も「経費」にすることができます。例えば車は個人でも事業として使用するのであればその分を「経費」にすることができますが、実際は監査が入った場合の説明が難しいところだと思います。法人であれば、事業で必要であれば全額「経費」にすることができます。

 また、出張手当は社内規程を作っておけば、セミナー等で地方に出張した際に旅費の実費だけでなく日当5,000円など、あらかじめ決められた金額を経費とすることができます。しかも出張手当は支給された側(一人社長の場合は自分)の収入としては非課税となります。あまりに高額な日当を規程で設定しないことや、出張の事実が残るよう旅費の領収書等を残しておく必要はありますが、所得税や住民税もかからず節税効果が期待できます。

 

5.社会的信用が得られる

 法人を作ることで私が思う一番大きなメリットは「信用」を得られる事です。会社は登記をしており、会社の重要事項を誰でも閲覧可能となっています。また、会社を作る意気込みや、毎年続けて収益を上げていくと資金面での信頼も得ることができます。クレジットカードやローン、賃貸の契約なども法人で収益を上げていくことによる「信用」で審査に通過しやすくなります。生きていくうえでこの「信用」が大事だと考えています。

6.贈与税相続税対策になる

  贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に個人から贈与を受けた財産の合計額から、110万円の基礎控除額を差し引いた額に対して課税されます。また、相続税は親などから現金や預金、株券や不動産などの財産を取得する際に課される税金です。その税金は累進課税で最大55%もの税金が課税されます。その対策として法人化が有効です。

 私も親から出資という形で資金をもらい、投資を事業とする法人を立ち上げました。通常は親から資産を受け取ってしまうと贈与税がかかってしまいますが、法人化をすれば贈与税はかかりませんし親の資金の運用もできます。また役員報酬として子(私)に給与を支払えば贈与税の対象にはなりません。

 ただし、法人化には以下のようなデメリットもありますのでこれまでのメリットと合わせて考えて法人化を検討していただければと思います。

 

法人化のデメリット

1.設立コストがかかる

 法人の設立には法務局や、公証役場などに払う法定費用とその準備に必要な印鑑等の作成費用が掛かります。株式会社と合同会社で費用が異なり、詳細は別記事で説明しようと思いますが、合同会社で定款を紙では無く電子定款とした場合は約7万円で会社設立が可能です。投資用の法人であれば合同会社で十分と考え私は合同会社を選択しました。初期費用7万円であれば経費のやりくりなどで十分元が取れると思います。

 この電子定款ですが、自分で作るにはICカードリーダライタやAdobe Acrobatなどの電子署名プラグインソフトが必要です。私はそれらの準備が面倒だったので、freee会社設立を利用して電子定款を作成しました。freee会社設立では電子定款を提携する行政書士法人が作成してくれます。また、電子定款作成費用は5,000円ですが、freee会計を契約するとその5,000円も無料となり、実質、登録免許税の6万円と印鑑代のみで設立が可能なのでおすすめです。

 また、印鑑は数千円から数万円で作成できますが、安く済ませたいのであれば数千円のもので十分だと思います。私は法人印(登記書類等に使用)、銀行印(法人口座の開設に使用)、角印(社内文書等に使用)の3つがセットになった4,000円弱の印鑑にしましたが、全く問題ありません。

 

2.資金の自由度が低下する

 いま、自分の通帳にあるお金は自由に使うことができますが、法人化して法人口座にお金を入れるとそれは会社のお金になるので事業以外に自由に引き出して使うことができません。ちょっとお金が足りないから・・・と言って会社の口座のお金を個人の口座に振り替えることはできないので注意が必要です。

 会社のお金は役員報酬、いわゆる給料として自分に毎月定額を支払う形にすれば個人の口座に入れることができます。

 

3.設立、運営の手間がかかる

 法人を設立すると会計帳簿、個人で言う家計簿をつける必要があります。それも個人の時とは異なり、損益計算書(家計簿のようなもの)だけではなく貸借対照表を作成する必要もあります。貸借対照表は会社が持っているお金とそれが何に姿を変えたかを表すもので、日常では少しなじみがないものです。

 私はサラリーマン時代に企画部門に所属していたので、基礎知識はあったものの、実際の運営には不安があったためfreee会計というクラウド会計ソフトを利用しています。まだ使い始めたばかりですが、手順に沿って処理をしていくだけなのでかなり手間はかからないという印象です。使用感も今後まとめていきたいと思います。

 

4.課税対象が増える

 個人の場合は年度末の未決済ポジションの損益は課税対象ではありませんが、法人の場合は事業年度の末日の未決済ポジションの損益も課税所得計算に算入しなければいけません。ただし、個人の未決済ポジションもいずれは決済して損益算入することになりますので、タイミングの問題であり私はそこまでデメリットにはならないと考えています。

 

まとめとおすすめ本

 これまでの内容をまとめると下表のようになります。

 この中で、どれが自分にとって重要かという点を考慮して法人化を検討してはいかがでしょうか。私の場合は、やはり対外的な信用度は今後の生活で重要になるので信用度、そして親族のお金も併せて運用したかったので贈与税がかからないとうメリットが大きく法人化を行いました。法人化のデメリットについては設立コストは合同会社にすれば約7万円で済みますし、運営の手間も法人の経営を理解するという面で大きな経験になります。仮に運用に失敗し再就職が必要になった場合も、企業の会計を知っているというのは逆に大きなメリットになると考えました。

 内容をより詳しく知りたい人は以下の本がメリット、デメリットがうまくまとまっており、また法人の設立の仕方も概要が載っておりおすすめです。

 

個人と法人の税金、社会保険によるコスト差の検証

 これまでの内容で抜けている点があることに気づきましたでしょうか。実は私が一番気になっていたのが個人と法人で得られる収益や税金面での差がどうなるのか?ということです。法人を立ち上げても税金や社会保険があまりに高くなってしまうのでは個人のまま投資をしていた方がいいですよね。次回、税金編でその比較をしていきたいと思います。